コゴの日記。

マドリードで暮らす会社員の日々。

ウルグアイから来た羊の毛刈り職人

羊の毛刈りシーズン開始

 

今週の水曜日にウルグアイから250人の羊の毛刈り職人さん達がスペインへやって来ました。

スペインでは約1650万頭の羊が飼育されていて、今年はコロナの影響で例年よりもかなり遅れてしまいましたが、今週の金曜日から毛刈りシーズン開始です。

 

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 これから2ヵ月ほど牧場から牧場へと移動しながらスペインに滞在します。

 

羊の毛を刈るのにはかなり体力と技術が必要で、初めてだと1時間以上かかるそうですが、ベテランの毛刈り職人さんは2,3分ほどでできちゃうそうで、1日に180頭もの羊のカットをこなしちゃうそうです。

羊の体重はオスは45キロから160キロ、メスは45キロから100キロもあります。そんな羊の体をバリカンで傷つけないように素早く作業って大変な重労働です。

そして、毛刈り一匹の賃金はスペインでは1ユーロ前後だそうで、本日のレートだと約116円ですね。

ウルグアイの平均月収はおよそ8万2000円ほどなので、もし毎日100頭の毛刈りだと単純計算で33万円ちょっとなので、大変破格ですね。

 

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羊と言ったらオーストラリアやニュージーランドのイメージですが、あちらでは羊の毛刈り競技会が開催されていて、1日で300頭から400頭も刈っちゃう職人さんもいるそうです。

毛刈り一匹の賃金は約3ドルらしいので200円ちょっとですね。

   

羊を裸にする技術に貢献した日本企業

ちょっと調べてみたのですが、シドニー工科大学ではロボットを使った羊の毛刈りの取り組みもあるようですが、刈れるのは羊の背中部分で、頭や脚はまだまだ難しいようです。

そして、とても驚いたのですが、バイオロジカル・ウール・ハーベスティング(BWH)と呼ばれる羊毛収穫法があるんです。

羊に毛の成長を一時的に止める薬を注射して、生えてくる羊毛に切れ目を入れます。

数週間待つと、下から新しく生えてきた毛に押されてその切れ目が皮膚表面にまで押し出されてくるので、バリカンで刈ることなく、セーターを脱がすかのようにつるんと毛を取ることができるのです。
 

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副作用はないのですが、この技術は開発された当時とても高価で実用化は無理でしたが、バイオテクノロジー事業にも参入しているヒゲタ醤油さんが、コストを大幅に下げたうえで、大量に生産する方法を開発することに成功したのです。

日本の醤油会社がこんなことできるなんて、素晴らしいですね。

 

 

スペインの農林水産省が国内で飼育されている羊についてのレポートはこちらから。 

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